2児の母で精神科医のゆきです。
今回は子どもへの性教育のお話です。
子どもの性教育についてメディアで取り上げられる機会が最近多いですが、一方で「子どもに伝えることに抵抗がある」「実際にどう伝えていいか分からない」「低年齢からすることに意味があるのか」と悩む親御さんはまだ多いと思います。
低年齢からの性教育の1番の意味は「子ども達を性被害から守るため」だと私は思っています。
子どもを守るための性教育、あまり身構え過ぎずに始めてみてはいかがでしょうか。
何歳から?教え方は?
私は絵本がおすすめします。性教育をテーマにした絵本はたくさん出ています。
私自身も色々読んでみましたが、2、3歳から幼稚園頃まで読むのにぴったりなのは「パンツのなかのまほう」だと思います。
なぜこの絵本がおすすめなのか理由を挙げていきますね。
一貫してパンツの中の魔法を守るということだけしか書いてありません。
男女関係なく「パンツのなか」でまとめてあるので体の部位の名称など、直接的な表現がなく読みやすいです。
直接的な表現は子どもがふざけて口に出して楽しんでしまうものですが、私としてはあまり大っぴらに言うべきことではないと思っています。性教育の一環でというものもありますが、変に避けるわけではなく、マナーの問題で、適切な場所で適切な時に使うべき言葉だと考えているので、普段から積極的に使おうとは思いません。
ですのでこの絵本が「パンツのなか」とまとめてあるのは、なるほど勉強になるなと思って、我が家でも使わせてもらっています。
優しい癒し系の絵と色で子どもの恐怖心を煽るようなことなく、楽しく大切なことを知ることができます。
特に被害にあった時の対応など大切にしているポイントがしっかりと行き届いていると思います。
キラキラ光る魔法のステッキを持って、とんがり帽子を被った、どんぐりでポケットがぱんぱんなリスが可愛いく教えてくれるので、子どもも何度も「よんで!よんで!」と言ってきます。
子どもたちと一緒に学ぶために、大人も持っていた方が良い知識を後書きで具体的に教えてくれます。
虐待について打ち明けられた時の対処方法や性的虐待のサイン、子どもの性被害の実態、通報&相談先などが掲載されています。
子どもがせっかく被害を打ち明けてくれても、その時の大人の対応でさらに子どもを傷つけてしまうことがあります。適切に対応できるよう心づもりをしておくのは大切だと思います。
最後に…自分と同じ気持ちを子どもに合わせたくない
作者のなかがわさんのインタビューで「性被害は『ある』前提で幼いころから対策していくべきだ」という言葉がありました。(インタビュー記事はこちらです)
性被害にあうのに残念ながら年齢も性別も場所も関係ありません。
悲しいことに加害者の9割は顔見知りです。
子ども達に小さい頃から自分を守ることの大切さを伝えることで自分以外の人を大切にすることの重要性も感じてくれるのではと私は思います。
なぜ私が性教育に早期から取り組んでいるのかというと…
私は小学生の時に電車通学だったのですが、色んなタイプの痴漢にあってなんとも言えない嫌な気持ちになった記憶があります。意味は分からないけど、何かいけないことのような恥ずかしいような知られてはいけないような気がして親にも言えず…(特に母はそういう話はタブーとしていたので相談できるわけもなく)結果、中学生くらいになるまで自分を守る術を知らず被害を受け続けていました。そんな経験があるからか、自分の子どもたちにはそんな思いしてほしくない、もしそういうことがあったら教えてほしい、更なる被害を受けてほしくないという想いが私は人一倍強いのかもしれません。
おうちによって考え方は色々だと思いますが、すべての子どもたちが幸せな子ども時代を送れることを願います。
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